オンライン診療など健康支援プログラムを提供する株式会社リンケージ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:生駒恭明)は、2021年2月15日、サービス業での三次喫煙防止についての最新情報に焦点を当て、リンケージ取締役CMO(Chief Medical Officer)石澤哲郎医師による監修で今後起こりうる事象を報告します。
禁煙が推奨されている社会背景
「東京都受動喫煙防止条例」や「改正健康増進法」の全面施行に伴い、2020年4月1日からは2人以上の人が利用する施設では原則屋内禁煙となりました。併せて野外でも決められた場所以外では喫煙できないようになり、喫煙所は年々減少しています。
このように急速に禁煙が推奨される背景には、「三次喫煙」の存在があります。三次喫煙とは、環境たばこ煙そのものに曝露される受動喫煙とは異なり、たばこの火が消された後も残留する化学物質を吸入することです。研究はまだ少なく、健康影響についてもまだ明らかでありません。しかし、三次喫煙を防ぐ方法はすでに明らかで、それは屋内を完全禁煙にすることだと言われています。(※1 厚生労働省より)
接客時喫煙によるサービス品質低下
たばこによる健康被害は、これまで多数の研究や知見により因果関係が指摘されてきました。禁煙することで、がんや呼吸器疾患などを患うリスクを減らすことができるなど、健康改善効果についても明らかにされています。このように、これまでの禁煙のメリットは多くの場合、健康への影響と紐づいて考えられてきました。
しかし、民間の調査(※2)によると、喫煙者がどこでタバコを吸うかは関係なく「タバコの煙やニオイが気になる人」は8割を超えており(回答者は元喫煙者/非喫煙者)、いまや喫煙者が気をつけるべきは健康への影響だけに留まりません。サービス業においては特に、清潔感と同様に身体が纏う「タバコの匂い」がサービスの品質を低下させる要因になるため、これまで以上に気を遣う必要性が高まっています。最近では国内小売最大手のイオン発で三次喫煙を防止する取り組みが推進されるようになりました。
三次喫煙における新しい常識
リンケージはこれまで、累計約140健保、900社へ禁煙プログラムを提供してきました。利用企業はサービス業を含む幅広い業態で、特に顧客満足度にこだわる企業では禁煙への感度が高まっています。
中でも弊社サービス導入企業の1社でもあるイオンは先日、健康経営推進の大きな取り組みの一つとして、健康保険組合と連携して、国内の全事業所で「就業時間内禁煙」「敷地内禁煙」を開始すると発表しました。対象はグループ従業員約45万人で、これらは利用客及び従業員間での望まない受動喫煙を防止する目的で実施されます。
これまでは健康経営及び従業員の健康を阻害しないようにと禁煙が推奨されていましたが、今後は顧客と直接接点を持つサービス業における新たなスタンダートになる可能性があります。社員の健康促進および顧客満足度向上のために禁煙推進を検討される企業担当者様がいらっしゃれば、気軽にリンケージまでお問い合わせください。
サービス業での三次喫煙防止について
本稿ではリンケージ取締役CMO(Chief Medical Officer)石澤哲郎医師による監修で、サービス業での三次喫煙防止についての最新情報をご紹介します。
三次喫煙とは「喫煙者の身体に付着した化学物質を、他の人が吸入することによって生じる受動喫煙」のことです。皆さんもエレベーターなどの狭い空間で「一緒になった喫煙者の身体からたばこの臭いがする」と感じたことはないでしょうか?これが三次喫煙です。
以前は「たばこの臭いぐらいは我慢すべき」と考える人が少なくありませんでしたが、近年の研究により、発がん性物質を含む化学物質は、臭いを感じる数倍の距離まで拡散していることが分かっています。つまりたばこの臭いを感じた時点で、その人は受動喫煙による健康被害を受けているのです。
加熱式たばこは紙巻きたばこに比べて臭いが少ないものの、煙に多くの化学物質が含まれている点は変わりありません。むしろ臭いが少ないことで、周囲の人は気が付かないうちに三次喫煙に暴露される可能性もあります。また喫煙所で他の人が吸った紙巻きたばこの煙が身体に付着し、外に広げてしまう場合もあります。
さらにサービス業では「顧客に対する三次喫煙防止」という観点も大切です。三次喫煙の認知は徐々に広まっており、たばこの臭いに敏感な顧客も増えています。「店員から受動喫煙を受けた」と感じた顧客は、今後もその店舗を利用するでしょうか?接客におけるサービス品質を向上させるためにも、三次喫煙対策は必須と言えるでしょう。
なお、身体に付着した化学物質が除かれるまでには、喫煙所を離れてから40分以上かかることが分かっています。たばこを1本吸うために1時間近く職場から離れるようでは、もちろん仕事になりません。もともと喫煙者は非喫煙者に比べて年間数十万円の労働生産性低下が知られていますが、サービス業では顧客への三次喫煙防止も考慮し、勤務前や休憩時間も含め業務に関連した時間帯は全面禁煙を目標にすべきです。
一方で、喫煙者が「自分たちだけが不利益を受けている」と感じてしまうと、職場の雰囲気が悪くなり、禁煙対策も難しくなります。まずは能動喫煙及び三次喫煙も含めた受動喫煙の健康障害や労働生産性低下について伝え、職場を全面禁煙にする必要性を丁寧に説明することから始めましょう。その上で経済的・時間的負担を抑えた禁煙サポートを提供することで、喫煙者がスムーズに禁煙できる方法を提案することが大切です。その際には、通常の禁煙外来よりも治療成績が高く、完全オンラインで実施できるリンケージの禁煙プログラムを是非ご活用下さい。
※1 三次喫煙
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-057.html
※2 民間調査
https://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2018/180821/
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