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2023.1.13

世界初、オンライン診療を活用した加熱式たばこの禁煙治療の長期成績を検証 リンケージ、オンライン禁煙治療データを使った論文がBMJ Openで採択 ~加熱式たばこ利用者は紙巻きたばこ利用者より約10%高い長期禁煙成功率~

株式会社リンケージ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:生駒恭明)が提供するオンライン禁煙治療のデータを活用した研究の結果、オンライン禁煙プログラムによる禁煙治療では、加熱式たばこ利用者は紙巻きたばこ利用者よりも長期的な禁煙成功率が約10%高いことが判明したことを報告いたします。本研究はオンライン診療を活用した禁煙治療において、加熱式たばこの禁煙治療の長期成績を検討した世界初の報告となります。リンケージは、今後もテクノロジーとつながりで健康意識の温度をあげることで、一人ひとりの生きやすさを健康から支援してまいります。なお、本研究はイギリスの医学誌BMJ Open 2022年12月号に掲載されました。
原文:https://bmjopen.bmj.com/content/12/12/e063489

研究サマリー

  1. 初診を含む完全オンラインによる8週間の禁煙プログラムは、長期的にも高い禁煙治療効果が認められた
  2. 昨今利用者が増える加熱式たばこにおいて、紙巻きたばこ利用者と同等以上の禁煙治療効果が認められた
  3. 加熱式たばこ利用者の方が、紙巻きたばこ利用者よりも長期的な禁煙成功率が約10%高いことが判明した
たばこの種類と禁煙成功率の関係 Fig.1 たばこの種類と禁煙成功率の関係

研究背景

喫煙者の認知症発症リスクは非喫煙者の約2倍(※1)、うつ症状に対するリスクは非喫煙者の約2.25倍(※2)と言われています。加えて、長期病欠リスクのほか、喫煙時間による労働生産性の低下は、一人あたり約31万円(※3)と見積もられています。
リンケージが提供するオンライン禁煙プログラムは、こういった喫煙によるこころとからだの不調を減らすために開発されたプログラムです。オンライン上で医師の診察を受け、自宅などに配送される禁煙治療薬を使用して禁煙を目指すプログラムで、保険診療で行われる一般的な禁煙外来では、5回(オンライン併用でも最低2回)の外来通院が必要となる一方、当社のオンライン禁煙プログラムでは、通院の負担がなく気軽に禁煙治療を受けることができます。

研究概要

近年、日本では加熱式たばこの販売数量が年々増加し、日本たばこ協会が発表した2022年4〜9月の国内のたばこ販売全体に占める加熱式たばこの割合は約34%(※4)に上ります。リンケージは、紙巻きたばこで高い禁煙率改善効果が認められている禁煙治療が、加熱式たばこにおいても有用であるかを検証するため研究を進めてまいりました。本研究は、利用するたばこの種類が禁煙成功率に与える影響を明らかにすることで、全ての喫煙者が安心して禁煙へ向けて一歩を踏み出せる環境構築を目的としたものです。

<詳細>
オンライン禁煙プログラムの概略:計8週間、医師によるオンライン禁煙診療を合計4回実施。初回〜3回目の各診察後に禁煙補助薬を自宅等へ配送。診療期間終了後は、リンケージ社の禁煙サポーターがメール等を用いた継続支援を禁煙治療開始1年後まで継続する。
対象者:2018年8月~2020年10月の期間内に、リンケージ社のオンライン禁煙プログラムに参加した就労者 合計733名
 内訳) 紙巻きたばこ利用者(Cigarette) 383名
     加熱式たばこ利用者(HTP:Heated Tobacco products) 230名
     紙巻き/加熱式たばこ併用者(Dual) 120名
モニタリング方法:8週間にわたる医師による診察・禁煙補助薬の服用後、12週経過(CAR9-12)、24週経過(CAR9-24)、52週経過(CAR9-52)時点で禁煙継続有無をアンケートにて確認

オンライン禁煙プログラムの流れ Fig.2 オンライン禁煙プログラムの流れ

展望

オンライン禁煙プログラムでの禁煙成功率をさらに高めるために、どのような因子が禁煙と関連するか、今後も実データを用いて検証を進めてまいります。また、禁煙治療薬(チャンピックス、ニコチンパッチ等)とたばこの種類(加熱式、紙巻き等)による禁煙成功率の違いに関するクロス分析や、生産性向上および疾患予防に関する禁煙の影響等についても調査を進める予定です。リンケージは、今後も禁煙したいと願うすべての喫煙者が前向きに禁煙に取り組める世の中を目指し、テクノロジーとのつながりで健康意識の温度をあげることに貢献してまいります。

BMJ Openについて

医学専門の査読付きオンライン・オープンアクセス誌。国際医学雑誌として2010年にイギリスで刊行。


※1出典:第56回日本老年医学会発表 九州大学環境医学分野清原教授 久山町研究グループ「久山町住民712名を5年追跡調査」
※2 出典:産業医科大学 中田光紀「東京近郊労働者2,770人におけるうつ(CES-Dによる)の関連リスク調査」 (2008年)
※3 出典:厚生労働科学研究費補助金(第3次対がん総合戦略研究事業)分担研究報告書 (2006年)
出典:独立行政法人 統計センター「平成21年賃金構造基本統計調査(一般労働産業大分類)」 (2010年)
※4 出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3031L0Q2A131C2000000/

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